校長室より

2023/06/19
「一笑一若一怒一老」
 生後間もない赤ちゃんが笑うのはなぜでしょうか。生まれてすぐの赤ちゃんは「楽しい」とか「嬉しい」といった感情は持っていないのに自然と笑顔を作ります。これはお母さんに可愛がって育ててもらうための本能的な笑顔だそうです。そして、赤ちゃんは本能的に「笑う」事によって周囲の人が笑顔になり、優しくしてくれる事を体験して「この表情をすれば優しくしてくれる」と学び、笑顔を繰り返すようになると言われています。
 一説では、笑いには「インターフェロンの分泌量を増加させる」という効果があると言われています。これが高まると快さへの耐久力を高めます。また、治る確率が非常に低い難病の患者が笑いによって完治した例もあります。
 中国にあることわざに「一笑一若一怒一老(いっしょういちじゃく、いちどいちろう)」があります。一度笑うと若返り、一度怒ると年を取るという意味。
 笑顔あふれる打出中学校になりますように。
2023/06/12
非認知能力
 人間の能力は、大きく「認知能力」と「非認知能力」の2種類に分けられます。「認知能力」とは、点数などで数値化できる知識理解の能力のこと。一方、「非認知能力」とは、数値化することが難しい内面的なスキルのことです。非認知能力の具体的な能力には、やり抜く力、自己肯定感、やる気、忍耐力、ねばり強く頑張る力、自制心、協調性、思いやり工夫をする力など子どもが人生を豊かにする上でとても大切な能力であると言えます。
 非認知能力は何歳からでも鍛えることが可能ですが、幼児期から学童期にかけて取り組むことが特に重要だと言われています。幼児期から学童期にかけての子どもは、新しいことに挑戦する力や、そこから多くのことを吸収する力が特に高いため、さまざまな非認知能力を育みながら、さらなる学びにもつなげやすく、多くの力をバランス良く伸ばしていくことができるからです。
 幼児期や学童期は、たくさんのお友達と幅広く触れ合う機会が多いほか、家族で過ごす時間も長いもの。楽しい時間を共有する中で、自然と非認知能力を鍛え、子どもの将来につながるような豊かな力を育んでいけるといいですね。
2023/06/05
聞く 聴く
 「聞く」は自然と耳に入ってくる音をきくこと。「聴く」は、音の持つ意味を理解しようとして、意識的に耳を傾けること。同じ「きく」でも意味合いはずいぶん違ってきます。人の話をただ聞くのではなく、注意を払って、より丁寧に耳を傾けることを「傾聴(けいちょう)」と言います。
 傾聴のレベルは、@相槌(あいづち)をうつ。A「はい」「なるほど」などと言う。B相手が言ったことを繰り返す。C相手が言ったことを自分の言葉にまとめて話す。D相手に共感する。です。
 「聴く」をその漢字の成り立ちから、耳で、目で、心で、十分に理解しなさいって言われたものです。忙しさにかこつけて、しっかり人の話を聞いていない自分を戒めたいものです。
2023/05/31
憩いの広場 藤の木剪定
 夢プロジェクトで中庭がきれいになり、生徒たちの憩いの場になっていますが、藤棚の藤の木がよく成長し、うっそうとした状態になっていました。少しだけ自前で剪定を行いました。剪定前と剪定後の違いにさほど変化はないですが、少しはすっきりしたと自画自賛しています。「環境が人を育てる。」学校は古くても、ゴミのないきれいな学校であり続けたいものです。

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2023/05/29
たらいの水
 バケツよりも底が浅く、洗面器よりも大きい桶を一般に「たらい」と言います。水を張ったたらいの水を引き寄せようとするとき、勢いよく引き寄せると、水のほとんどは向こう側にこぼれてしまいます。お金も同じで、欲張って「こっちへ来い、こっちへ来い」と引っ張れば引っ張るほど向こう側に逃げていくものです。欲張らずにたらいを引かずに押せば水はこちら側にこぼれます。
人の心も同じで、手柄を独り占めにして強引に「俺が、俺が」と引き寄せようとすると、人の心は逃げていきます。謙虚な姿勢であれば、人は集まってきます。
 いずれにしても、欲張らずに謙虚に生きたいものです。
2023/05/19
全力を出し切る
「不完全燃焼」

 「不完全燃焼のままに終わってしまった」という言葉を耳にすることがあります。不完全燃焼とは「酸素不足による燃焼」のことを言います。締め切った部屋でストーブを焚いたり、自動車(特に大型トラックやバスなどのディーゼルエンジン車)などで、発進時に思い切りアクセルペダルを踏み込んだ場合に完全燃焼しない現象のことです。転じて『人が思いや力などを出し切れないこと。燃え切らないでくすぶる状態』を指したりします。では、人間にとっての不完全燃焼は酸素ではなく、何が不足しているのでしょうか。
 負けても完全燃焼したと清々しい顔で話をするスポーツ選手も多くいます。つまり『結果』が不完全燃焼の原因とは言いきれません。『やり切った感』の不足がその原因。自分自身の力を100%出したのならば「結果満足」という事です。
 まさに勉強やスポーツも同様。自分自身の100%を詰め込んだのであれば納得できるのではないでしょうか。
 中体連、吹奏楽祭お疲れさまでした。
2023/05/12
世の中の役に立つ仕事
 QRコードを最近よく目にします。四角の枠の中に模様があって、それをスマホ等で読み取ると、ホームページが開いたり、お金の支払いが完了するというものです。今では現金を持たずに買い物できる便利な仕組みとして、世界中の多くの店でこのQRコードが使われるようになっています。
 このQRコードの発明は日本です。元々、自動車部品の会社が部品管理をするために作りました。以前はバーコードが一般的でしたが、情報量が限られていたため、もっと多くの情報が入り、安定して使えるものとして開発されました。
 この開発に2年の月日がかかりました。どの角度からも瞬時に読み取れるようにするため、QRコードの隅に「回」のような記号を置くアイデアを思い付いたそうです。開発した会社はQRコードの特許を取得しましたが、できるだけ多くの人に使用してもらおうと使用はオープンとしました。
 世界に通じる世の中の役に立つ仕事ってすごいですね。皆さんにもその可能性があります。
2023/05/08
脚下照顧
 昇降口でこの言葉を見たことはないですか。自分の足元をよくよく見なさいという意味です。元々は禅宗の教えで、他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめなさいという戒めの言葉でした。それが転じて、理屈を言う前に、まず自分の足元を見て自分のことをよく反省しなさいという教えになりました。「脚下」は足元。「照顧」は反省、熟考の意味。人の心は見えないけれど、履物が乱れているのは、表に出る現象として持ち主の心の乱れを表している結果ということです。
 慌てて先に目をやるのではなく、しっかりと自分の足元を見つめ、心を込めて丁寧に生きることが大切だという教えです。
2023/04/24
『教室はまちがうところだ』
 蒔田晋時さんの「教室はまちがうところだ」という詩です。私は教師になりたての若い頃、こんな教室だったらいいな、こんな教室にしたいな、という思いでこの詩を教室に掲示していました。本当はもっと長い詩ですが、割愛して紹介します。

教室はまちがうところだ みんながどしどし手を上げて
まちがった意見を いおうじゃない

まちがうことをおそれちゃいけない
まちがうことをわらっちゃいけない

みんなで出し合い 言い合うなかでだんだん
ほんとのものを 見つけていくのだ

安心して手を上げろ 安心してまちがえや
まちがったって わらったり ばかにしたり おこったり
そんなもの おりゃあせん

そんな教室つくろうやあ
2023/04/17
『カラーバス効果』
 人は意識した音しか聴こえないのです。また、意識したものしか見えないのです。
 人混みで友人との会話が成り立つ時がしばしばありますよね。聴こうと意識した音は耳に入ってきます。色も同じ。例えば、あなたの周りにある「青いもの」を見つけてくださいって言われて、ちょっと意識して探すだけでどんどん見つかります。人は意識したものしか聴こえていないし、見えないし、覚えていません。
これを「カラーバス効果」と言います。ある一つのことを意識することで、それに関する情報が無意識に自分にたくさん集まるようになる現象のことです。「color(色)」を「bath(浴びる)」、つまり、特定の事象を意識することで、五感で得られた情報からその特定事象のみを積極的に認識するという性質を脳が持っているということです。
 これが何を意味するのか。夢や目標を持ち、常に意識している人とそうでない人との情報の収集量に大きな差が生じるということ。具体的な目標を持ち、それに向かって懸命に日々生きている人は、目標を達成する可能性が高くなり、目標意識の薄い人の成功の可能性は低くなることを意味しています。夢を持つ、目標を持つってことは大事なことなんですね。

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