校長室より

2023/04/17
『カラーバス効果』
 人は意識した音しか聴こえないのです。また、意識したものしか見えないのです。
 人混みで友人との会話が成り立つ時がしばしばありますよね。聴こうと意識した音は耳に入ってきます。色も同じ。例えば、あなたの周りにある「青いもの」を見つけてくださいって言われて、ちょっと意識して探すだけでどんどん見つかります。人は意識したものしか聴こえていないし、見えないし、覚えていません。
これを「カラーバス効果」と言います。ある一つのことを意識することで、それに関する情報が無意識に自分にたくさん集まるようになる現象のことです。「color(色)」を「bath(浴びる)」、つまり、特定の事象を意識することで、五感で得られた情報からその特定事象のみを積極的に認識するという性質を脳が持っているということです。
 これが何を意味するのか。夢や目標を持ち、常に意識している人とそうでない人との情報の収集量に大きな差が生じるということ。具体的な目標を持ち、それに向かって懸命に日々生きている人は、目標を達成する可能性が高くなり、目標意識の薄い人の成功の可能性は低くなることを意味しています。夢を持つ、目標を持つってことは大事なことなんですね。
2023/04/13
柔道の基本は受け身
 「かわいい子には旅をさせなさい」とか「若いうちの苦労は買ってでもしなさい」とよく言われます。若いうちに手とり足とりだった親の保護を離れて、失敗を含めてさまざまな経験をすることが将来役に立つということです。人が生きていく上で、成功体験というのは大変重要で必要なものですが、成功体験以上に失敗から立ち上がった経験が重要です。
 何事に関しても、壁に突き当たるとか失敗するというのは楽しいものではありません。しかし、どうせ失敗するなら早い方が良いのです。若いうちの失敗は「若者のやることだから」と大目に見てもらえることもありますが、同じ失敗でも、ある程度年齢を重ね、多くの責任を背負うようになってからの場合は挽回するのに大変なエネルギーを要します
 壁を乗り越えた経験や失敗から立ち上がった経験が、壁の乗り越え方や立ち上がり方を身に付させてくれます。また、失敗を回避する方法を身につける可能性もあります。
 若いうちに壁や失敗を経験しておけば、立ち上がることも比較的容易です。また、年齢を重ねてから同じ失敗をする確率は低くなります。
 柔道の稽古で一番目に習うのは受け身です。転ぶ練習です。けがをしない転び方を身につけるのです。いっぱい転んだ経験があれば、怪我をしない転び方や立ち上がり方を身につけることができます。転んだ経験が無ければ、転び方も立ち上がり方も知らず、大怪我をして立ち上がれなくなる可能性があります。
 若いうちは、怪我をしない程度に、いっぱい転んでおくに限ります。今まで転んだことのない人は、そっと転んでみて、立ち上がり方を練習することです。柔道の受け身の練習のように。
 親や教師は、子どもが転ばないように先回りをするのではなく、子どもの自主性を尊重し、いっぱい転んで立ち上がる経験をさせてあげることが必要だと思います。
2023/04/11
優しい心根の打出中学生
 地域の方から3月30日にうれしい電話を頂きました。
 昨日の始業式でも紹介しましたが、地域にお住まいの方が、大切なお財布を落とされたそうで、それを拾った本校の女子生徒が住所を確認し、その方の自宅まで届けてくれたそうです。大変感謝され学校に電話を頂きました。
 優しい心根を持つ生徒が多いことに、感激するとともに校長としてたいへん誇りに思います。
2023/03/24
「節目」
 「節目」とは「材木や竹の節となっている部分」を意味していますが、この「節目」の「節」は竹の幹から来ています。竹の中は空洞となっており、空洞だけでは何もないために大きくなりませんが、表面に節があることによって、強くてしなやかに、そして高く大きく伸びることができます。
 このことを比喩的に用いて物事の節を「節目」と言うようになりました。節があることで困難が起きても大きく前進することができるという思いが込められています。
 学年末を迎えました。1、2年生の皆さんはそれぞれ4月には進級します。大きな節目を迎えることになります。気持ちも新たに皆さんが強くてしなやかに、そして今以上に成長してくれることを願っています。
2023/03/22
地域の方からうれしい声を聞きました
 20日(月)に地域の方からうれしい電話を頂きました。
 地域にお住まいの方が、車椅子で道路を通行中、うまく走行できずに困っていたところ、偶然通りがかった打出中学校の女子生徒が「何かお手伝いできることはありませんか」と声をかけ、力を貸してくれたとのことです。大変感激され、直接お電話を頂きました。名前も名乗らずということで心優しい生徒は誰かわかりませんが、大変うれしく思いました。
 このような話は前も紹介しましたが、今年度いくつも届いています。校長としてたいへん誇りに思います。
2023/03/16
「君たちはダイヤモンドの原石だ」
 宝石としてのダイヤモンドの価値や品質の基準になるのが「4C」です。カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(光の反射)、カラット(重さ)。
 道にあるただの石をいくら磨いてもダイヤモンドにはなりません。ダイヤモンドの原石は磨くことによって光を放ってきます。しかも、磨き方やカットの仕方で輝き方が違ってきます。このことから、よく人の可能性を比喩する言葉として「君たちはダイヤモンドの原石だ」が使われます。人はそれぞれ磨けば光る、さまざまな素晴らしい素質をもったダイヤモンドの原石であるということです。
 ダイヤモンドは宝石の中でも輝きや透明感、更に石の硬さも他を凌ぎます。宝石はその石よりも硬い石に磨かれる事によって、それぞれの輝きを放ちます。つまり、最も硬いダイヤモンドは、ダイヤモンドによってしか磨くことができないということです。
 「君たちはダイヤモンドの原石だ」。この言葉は、切磋琢磨し、互いに鍛えたり、学んだりすることで、いくらでも今以上に光り輝く可能性があることを表しています。
 自分磨きに努めたいものです。
2023/03/14
3年生の皆さんへ「ありがとう}
 本日、第76回 打出中学校 卒業証書授与式 が行われました。とても心温まる感動的な卒業式を終え、胸に込み上げるものを感じます。「ありがとう。」
 言葉では五文字ですが、五文字以上、何十文字、何百文字もの「ありがとう」を伝えたい気持ちでいっぱいです。君たちと共に過ごせた「縁」に感謝するとともに、校長として君たちと共に過ごせたことを「誇り」を感じます。巣立ちゆく君たちの前途が洋々たることを心より祈っています。
 保護者の皆様には、これまでの3年間、本校の教育活動にご理解とご協力、多くのご支援をいただきました。心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
 一人ひとり、それぞれの違う道に巣立つ皆さん。それぞれが歩んだ足あとに、きれいな花が咲くことを祈念申し上げます。そして、もう一度伝えます。「ありがとう」
2023/03/09
「初めて自分で自分を褒めたいと思います。」
 3月12日には、びわ湖マラソンが開催されます。マラソンで思い出すのが元マラソン選手の有森裕子さんの有名な言葉。
「初めて自分で自分を褒めたいと思います。」
1992年バルセロナ五輪で銀メダル、1996年アトランタ五輪で銅メダルと2大会連続でメダルを獲得しました。1996年の銅メダルを取った時のインタビューでの言葉がこの言葉です。前回の銀メダルには及ばなかったけれど、「初めて自分で自分を褒めたいと思います。」と結んだ彼女の姿は日本中の感動を呼びました。何故ここまでに日本国中が感動したのか。「自分で自分を褒める」という自己肯定に新しい価値観を感じたのかもしれません。
 日本人は良くも悪くもその謙虚な姿勢から、欧米諸国に比べ自己肯定感が低いと言われます。自分で自分を褒めるとき、重要なのは途中のプロセスです。有森さんもメダルを取れた結果に「自分を褒めたい」と言ったのではありません。自分の理想とする走りができたからです。自分よりもっと速い選手がいることはどうにもできないけれども、今の自分のベストを尽くすことは自分一人でできる、それができたかどうかということだと思います。
 自分を褒められる自分でありたいものです。

2023/03/06
入試7か条
今週は県立高校一般入試です。校長から伝える入試7か条です。

@前日には周到に準備をして受験票等の忘れ物をしないように細心の注意を払い、そしてぐっすりと睡眠をとってください。
A朝ごはんはしっかりと食べましょう。  
B試験当日に会場についたら大きく深呼吸をしましょう。
C試験開始後、まず受験番号を書きます。これを忘れずできれば、スタート上々です。
D問題は1番から解いてはいけません。問題をひと通り見て、できる問題からトライです。問題でつまずいたら、自分の勘を信じて書きます。白紙は絶対ダメです。ここまで来たらもう中間点は超えています。
E時間配分には注意しましょう。
Fラストスパートは、諦めないこと。最後まで自分の可能性を信じて、頑張りぬくことです。そして、再度の受験番号の記入確認。

 頑張ってきてください。健闘祈っています。
2023/03/01
梅の花
 梅はまだ寒い冬の終わりを迎える頃に咲き始めます。春の訪れをつげる花です。梅の花の花言葉は、「上品」「高潔」「忍耐」「忠実」です。「上品」「高潔」「忍耐」はまだ寒さが厳しい時期に凛と咲きほこる梅の姿から花言葉がついたとされています。「忠実」の花言葉は、学問の神様とされる菅原道真公に由来しています。九州の太宰府に左遷された際、道真公の元へ大切に育ててきた梅の木が飛んできたという伝説が残されており、これにちなんで、「忠実」という花言葉がつけられました。ちなみに道真公が詠んだ有名な和歌を紹介しておきます。
「東風(こち)吹かば にほひをこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな」
 この「梅」は大変縁起のいいものとされています。いくつか紹介します。
@松竹梅の「梅」……松・竹・梅は「歳寒三友」と称され、寒い冬でも葉が枯れないため、その強さからお正月の「縁起物」として尊ばれています。
A塩梅(あんばい)……昔は梅を酸味と塩味で料理の味を引き立てる調味料として使用していました。そのことから今はとても具合のよいことを「いい塩梅」と言います。
B梅はその日の難のがれ……朝、出掛ける前に梅干を食べると、その日は災難をまぬがれるといういわれがあります。昔の旅人は殺菌効果がある梅干しを「薬」として携帯していました。今でも旅館などで、朝食に梅干が出されるのは、ここからきています。
 さあ、3月です。1年間の締めくくりの月です。いい塩梅で次年度を迎えられますように!

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