校長室より

2024/10/06
相手の気持ちを考える
 いい人間関係を築くためには、相手の気持ちを考えるということが大切です。コミュニケーションのすれ違いは、相手の立場に立って考えず、自分の主張ばかりを押し付けてしまうことから起きやすくなります。
 そもそも、人間は、自分の気持ちにはとても敏感で、楽しい、悲しい、嬉しい、悔しいなど自分の気持ちのことは自分でわかっています。でも相手の気持ちとなるとそううまくいきません。自分を相手の立場に置いてみると、意外と良かれと思ってやっていたことがそうでなかったりということもあります。人の気持ちが分からないと、自分勝手な人、と思われてしまうこともあり、家族や友人との間にトラブルが生じたり、関係性が悪いほうにいく可能性もあります。
 相手の気持ちを考えているつもりなのに、上手くいかない。それは相手の立場になって考えているのではなく、自分の立場のまま相手の気持ちを考えているということです。人は生きてきた環境や性格によって、価値観も考え方も違います。相手の価値観と自分の価値観が大きく違う時、自分だったらこう思うという自分中心の考えをしていると、それは的外れな考えになってしまうことがあります。相手の立場になってみて、相手の気持ちを考えるようにすることが大切です。正直なのはいいことですが、場合によっては言わなくてもいい事や、言い方を少し変えるだけで相手を傷つけずに済むかもしれません。
 学校では多くの人が生活しています。意見の食い違いや捉え方の違いがあって当然です。コミュニケーションの仕方を学ぶところが学校です。先週延期になった体育祭も予定されています。相手の気持ちを考えながら、みんなで盛り上がれるような行事にしていきましょう。
2024/09/29
ようやく秋の気配を・・・
 ようやく秋の気配を感じるようになりました。虫の音や涼しい風に秋を実感します。今年の夏は大変圧夏でした。気象庁の統計で真夏日(最高気温が30度以上の日)が少なかった年で比べると、1960年代では29日。2010年代では47日というのがもっとも少ない数字となっています。1960年代から2010年の60年を比較すると、全体に真夏日の日数が増えている印象です。
 先週からかなり過ごしやすくなりました。この土日は窓を置けると寒く感じる時間帯もありました。季節の変わり目は身体が慣れるのに時間がかかります。明日からは中間テストは始まります。週末には体育祭も予定されています。体調管理に気をつけて行きましょう。
2024/09/27
「順位をつけない運動会」
 小学校の中には「順位をつけない運動会」があると聞きました。走るのが得意な子も、苦手な子も全競技全員参加が原則だそうです。思い返すと私の小中学生時代は「体育祭」ではなく「体育大会」でした。まさしく競走による競争でした。時代も変化し、最近は運動が不得意な子の気持ちを心配し、運動会の競争を反対する人たちも多いことも事実です。
 さて、「順位をつけない運動会」とはどういうことなのでしょうか。点数の付け方に工夫がされているのだそうです。例えば50m走。「誰が一番になるか?」ではなく、去年の自分のタイムを超えることができれば、チームに加点される仕組みです。競争の順位が何位だろうと関係ありません。去年の自分を超えることで、チームに貢献できます。中には去年より遅くなる子もいます。でもその悔しさは戦う相手は自分なので次のモチベーションになるそうです。人と比べないで、自分の得意を伸ばしていこうという考え方で素晴らしいです。
 ただ、人と比べることも生きる上では大切な視点の一つであるとも言えます。人と比べることによって自分の得意なことも苦手なこともわかってくることも事実です。世界には自分より得意な人なんて数多くいるわけで、その度に自信を失ってしまっては何ともなりません。自分を正しく認識する「自分を知る」こともとても大切なことです。みんなと一緒になって学習するってそんなことではないでしょうか。
 来週は中間テストと体育祭があります。体調管理には十分気をつけてください。
2024/09/21
素晴らしい文化祭でした
 文化祭が終わりました。全校生徒が体育館に集まり、モザイクアートの披露や吹奏楽部の演奏を皮切りに文化祭が開会しました。文化部の展示発表や生徒会企画、夢プロジェクト企画、合唱コンクール、PTA打出委員会による「打出うどん」など盛りだくさんの内容の文化祭でした。
 中でも合唱コンクールではどの学年も、どのクラスもプレ発表以降一番の歌声を体育館に響かせてくれました。多くの保護者の皆様にも鑑賞いただく中で心に響く感動深い合唱を披露してくれました。ありがとう。合唱は何よりそれぞれが歌う気持ちを持たなければ成り立ちませんし、全員の声を合わせてハーモニーを生み出していかなければなりません。全員で練習を積み重ねていくうちに、お互いを思いやる気持ちを学び、成長していくものです。その成長が大きく感じられた素晴らしい合唱コンクールでした。みんなで一つの曲を仕上げる難しさは初めて合唱コンクールを経験する1年生でも、何度か経験している3年生でも同じです。そのときのメンバーで心を一つにしなければ聴いた人に感動を与えるような合唱はできません。鳥肌が立つの言葉通り、心を揺さぶられる感動を味わいました。
 1年生は初めての合唱ですがどのクラスも立派に歌い上げ、正直ここまでやってくれたことに喜びを感じました。2年生は気持ちの入れ方も格段に変わり、昨年の合唱に比べて堂々と歌い上げる姿に心と体の成長を感じました。3年生はさすが圧巻。合唱に対する心の叫び、熱い思いが熱く伝わってきました。合唱を終えた皆さんの顔にどの学年、どのクラスもそれぞれやり終えた充実感が感じられ、とても嬉しかったです。この文化祭での学びを学校生活に是非と生かせる学びにしてほしいと思っています。 
 文化祭では「打出うどん」「ブックカフェ」をはじめ、多くの保護者の皆様や地域の皆様に協力していただきました。ありがとうございました。 
2024/09/15
文化祭「合唱」で大切で大切にしたいこと
 合唱がもつ最大の魅力は、たくさんの声が重なることで生まれる音色の美しさです。一人ひとりの歌声は小さくても、たくさんの声が集まって深みのある響きが生まれます。みんなが同じことを同時に歌っていても、それぞれがバラバラなことを考えていれば、美しい響きは生まれません。気持ちをひとつになることにより、はじめて聴く人の心に響く歌になります。
 文化祭の取り組みとして合唱がありますが、結果の順位は関係ありません。合唱練習を通して周囲のメンバーと協力しようという協調の心や、みんなで同じ気持ちを共有して表現する一体感を得ることが目的です。美しいハーモニーができたときには興奮と感動が得られことでしょう。

2024/09/08
教育とは長い時間をかけて育てること
 教育を受けたら人間がすぐ立派になるのではありません。人を育てるということは、長い時間と歳月を要するもので、教える方も、学ぶ方も、努力と忍耐が必要です。人間以外の動物であれば、自らの命を守るため、生まれ落ちるとすぐ歩き始めます。そして、離乳と同時に親から離れ、独り立ちをします。しかし、人間の場合は生まれても歩きだすまでに1年かかり、独り立ちするまでには、かなりの時間を要します。一見大人に見える年代でも人間社会の中で独り立ちするまでには20年近くの歳月を要します。人を育てるのに時間がかかるのは、言葉を活用し、居住空間を有し、食べ物を耕作する高等動物として人間があるからです。
 しかし、今の時代は教育にもおいても性急さが求められる時代になりました。テストで100点とることで社会は成り立ちません。見せかけの学びや受験のテクニックだけを身につけても、社会では役に立たないのです。それよりも、本をたくさん読んで感動したり、考えを深めたり、植物や動物を育てた体験を持ったりとか、その人の心や知識の中にどっしりと根付いた考えや行動ができる人が、将来において開花していきます。
 水面のボールは深く沈めるほど高く飛ぶように、深い勉強をしている人ほど、やがて頭角を現していくのではないでしょうか。教育とは長い時間をかけて育てることです。長い時間をかけるとは失敗や成功体験を積むということです。
2024/08/20
歯医者
 歯の詰めものが取れてから久しくなります。日頃なかなか時間がとれないため、夏休みを利用して歯医者に行くことにしました。本当はその都度行けば治療回数も減り、期間も短くなるのですが、思い切りのなさが災いしています。
 治療では口をずっと開けて機械音が聞こえるだけです。どういう状況なのか、どういう治療か、どれくらい時間がかかるのか、後どれくらい口を開けていなければならないのかわからず、不安しかありません。例えが悪いかもしれませんが先が見えない不安ってこういうことですね。
 安心させるために一定の説明をしながら施術することも必要。私たちが子供に接するときも言葉かけ一つで安心に繋がります。心していきたいと思います。もう少しで2学期が始まります。安心・安全な学校づくりに努めたいと思います。
2024/07/19
「一見無駄に見えても本当は無駄なことではない」
 終業式の話の概略です。
 平らな地面を歩こうとすると、30センチほどの道幅があれば、歩くことができます。しかし、水がいっぱい流れている川に架かっている橋を渡ろうとすると、30センチほどの幅の板しかかかっていなかったとしたら、なかなか勇気を出しても渡れませんね。理屈上30センチもあれば歩いて渡るのに可能な幅であるにもかかわらず、現実はとても渡るのは難しいですね。
 しかし、この川にかかる橋の幅が5メートルだったらどうでしょう。多くの人は足が前に進むのではないでしょうか。30センチあれば歩ける。5メートルから30センチを引いた、残り4メートル70センチは、道幅としては無駄な部分と言えます。しかし、この4メートル70センチという無駄があることによって、安心して橋を渡ることができるのです。だから、この橋の場合にはこの4メートル70センチは、決して無駄なものではなく、むしろ、この橋を安心して渡るために必要な条件であるということです。この川にかかる橋の例のように、理屈からいえば一見無駄に見えることでも、安心を得るためには必要な無駄というものがあるということです。
世の中、損得だけで物事の判断はできないのです。人の役に立つ行動も同じですね。自分が得しないから無駄とか思う人もいるかもしれません。しかし、誰にでも親切に接したい、誰かのために役に立てるようになりたい、こう思うだけでも自分自身の成長につながっていくものです。

 いよいよ明日から長い夏休みに入ります。1学期の自分をしっかり振り返り、リフレッシュできる期間にしてください。自由な時間が多くあります。SNS関連のトラブルもたいへん心配されます。SNSで悪口を言われたり、他人の写真や動画を勝手にアップし、大きな問題に発展した事案もあります。SNSは便利がゆえに、危険性も多く含んでいることを認識し、利用のあり方についてしっかりと考えてください。

 部活動では、夏季大会、吹奏楽祭、美術展覧会等が予定されています。特に3年生はこれまでの集大成として悔いのないよう全力を出しきってください。

 休み中、けがや交通事故などに遭わないよう、また、熱中症などにかからないよう、安全や健康には十分に気をつけ、しっかりと生活してほしいと思います。
2024/07/15
SNSの利用について責任を持つ
 以前にも紹介しましたが、SNSは自由な時間に仲間と交信でき、不特定多数の見知らぬ人とコミュニケーションの輪を広げてくれる便利なツールです。しかし、使い方によっては他人への誹謗中傷、無責任な噂、個人情報を拡散させてしまうなどの犯罪に繋がるケースもあります。SNSに写真や動画をアップしてしまい、人に付きまとわれたり、SNSで悪口を言われたり、仲間外れにされたり、オンラインゲーム上のトラブルが学校でのケンカに発展したケースもあります。他人の写や動画を勝手にアップし、大きな問題に発展した事案もあります。
 SNSは危険性を学んでから使うことが大切です。
 @人の悪口やうそを書き込まない。
 A他人の写真や動画を勝手にアップしない。
 B自分の名前や住所を教えない。
 C知らないサイトやメールは見ない。
 Dネットの話をすぐに信用しない。
 E家族で決めたルールを守る
 もう一度、利用のあり方について自ら再確認する必要があるのではないでしょうか。ネット上に出た情報は瞬時に拡散し、消すことはできないという認識が必要です。
 来週から夏休みとなります。休み中は自由な時間も増え、SNSを利用する時間も増えると思います。使い方や時間について、ご家庭でもあらためて確認していただくようお願いします。

2024/07/01
紫陽花
 7月に入りました。平年より2週間以上遅く梅雨入りしましたが、一般的に梅雨の期間は、各地とも大体40日くらいです。今年は予報によると、この先西日本〜北日本の日本海側を中心に平年より雨量が多くなる予想です。降る時は災害級の大雨となる可能性が高く、警戒が必要です。
 梅雨どきを代表する花といえば紫陽花(あじさい)です。今年も、あちこちで見かけるようになりました。紫陽花には赤、青、紫などの色がありますが、この色のベースは「アントシアニン」という色素で通常は赤色ですが、土から溶け出してきたアルミニウムと反応すると青色に変化します。アルミニウムをたくさん吸収した紫陽花は青色、しなかったものは赤色、その中間が紫色になります。「白」の紫陽花はもともとアントシアニンを持っていないため色が変化しないそうです。日本では青や紫が圧倒的に多いのは、火山が多いため、酸性の土壌が圧倒的に多いからです。
 以前にも紹介しましたが紫陽花は花のように見えますが、小さなガクが集まって花のように見えているだけです。ガクをよく見ると色はバラバラ。でも絶妙にそれぞれが調和し、まとまってきれいな花のように見えます。学校の中でみなさんのそれぞれ違った個性が調和し、お互いを思いやり、紫陽花のような集団へと成長してくれることを願っています。

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