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2024年03月12日 記事
第77回卒業証書授与式

2024年03月12日(火)

 三寒四温が繰り返す天候で、今日は雨の一日となりました。まさに涙雨という感じでしょうか。本日、第77回卒業証書授与式が行われました。雨音が少しは気になりましたが、卒業生、在校生共に張り詰めた気持ちで卒業式に臨んでくれました。まさに「凛」とした雰囲気でした。式のクライマックスは卒業生の答辞と歌でした。答辞の内容も一言一句ジーンとくる内容で、最後の短歌調のメッセージは本当に素晴らしかったです。卒業生は2曲式歌を披露しましたが、練習の成果を思う存分発揮した見事なハーモニーでした。会場全体を包み込む歌声は圧巻でした。
 3年生269名が巣立っていきました。一抹の寂しさが込み上げています。卒業生のこれからの人生に幸多かれと願うばかりです。
 私が述べた式辞を紹介します。
「琵琶湖開きを終え、湖国に春の息吹を感じる季節となりました。三寒四温を繰り返しながらも、桜のつぼみも膨らみはじめました。今日はお別れを惜しむかのような涙雨となりましたが、春の訪れを感じる今日の佳き日に第77回大津市立日吉中学校卒業証書授与式が挙行でき、心からお喜び申し上げます。
 今年の元日に発生した能登半島地震から二カ月余りが経過しました。復興の兆しが見え始めましたが、これまで冬の厳しさとともに、多くの命や家屋が失われたことでの喪失感は計り知れません。ご冥福をお祈りするともに、いち早い復興を心からお祈り申し上げます。
 新型コロナウイルスの影響で昨年度までは在校生の出席を控えておりましたが、本年度は2年生が参加する形をとりました。在校生を代表して先輩方に感謝の気持ちを伝えるとともに、先輩方の晴れ姿を目に焼き付け、1年後の自分をイメージさせたいと考えました。来賓につきましても、お世話になった二十数名の地域の方にもお越しいただきました。大変ご多用の中本当にありがとうございます。
 さて、改めて269名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。みなさんは、中学校生活前半は新型コロナウイルス感染症とともに過ごしてきたといっても過言ではありません。感染症対策を優先する毎日で、学校の中から大きな声で話す文化や大笑いする場面がなくなってしまいました。行事といった行事はことごとく中止となり、楽しみにしていた部活動も多くの制限がかけられました。初めて宿泊で行事ができたのが3年生の修学旅行でした。私も同行しましたが、2泊3日の旅行が本当にできてよかったです。1日目の平和祈念公園での平和セレモニーは、これまで取り組んできた平和学習の集大成でした。2日目のうどん学校で音楽に合わせ、全身を使ってうどん作りをしたことがとても印象に残っています。クラス別研修やUSJでも絆を深めることができました。5月より感染症法上5類に位置づけがかわり、一挙に通常の生活を取り戻すことができました。体育大会も6月に全校一斉で行うことができ、3年生は特にクラスの団結力を下級生に見せることができました。2学期最大の行事である文化祭でも学年発表のクオリティの高さに驚かされました。中でも、合唱コンクールの頑張りは日吉中学校の合唱の歴史を塗り替えるような素晴らしい出来栄えでした。昨年度より優秀クラスが世界文化遺産である延暦寺根本中堂で合唱を奉納するという夢づくりプロジェクトを行っていますが、本年度はどのクラスも「目標は根本中堂」において、ど真剣に取り組みました。学年予選、文化祭本選を突破した合唱は、根本中堂のお堂にコーラスが響き渡り、感激の涙を流しました。それとともに私が感動したのは、根本中堂に向かうクラスを、学年全員の生徒が送り出した場面でした。ド真剣に取り組んだからこそ、「代表クラスの誇りを持って歌ってくれ」という強いエールが送れたんだと思います。また、部活動においても3年連続夏季総合体育大会で滋賀県№1には届きませんでしたが、先頭に立って後輩を引っ張る頼もしさを感じました。また、進路実現に向けて取り組んだ学習への姿勢は本当に立派でした。我慢を多く経験した分、本当に精神的な成長が大きかったように思います。随所に自分のためだけでなく、周りの人のために働く姿も数多く拝見しました。まさに、本校の校訓にある「切磋琢磨し躍動する学校」の顔として、誇るべき存在でした。
 今日で義務教育9年間を終了し、次のステージに夢と希望をもって進んでいく皆さんに私から餞の言葉を送ります。「ありのままの自分を認め、自分らしく」です。みなさんは、自分のことが好きですか?どうしても長所よりも短所の方に目が行く人も多いように感じます。自分の短所や弱点をなくそうと努力することは大切だと思いますが、弱い面ばかり気にしているとどんどんと自信がなくなります。人間は必ず、よいところとよくないところがあります。そんな自分をよくない部分も含めて、ありのままに受け止めてください。これを「自尊感情」と言います。これからみんなが進んでいく道は、平坦な道ばかりではないと思います。うまくいかないこともあると思いますが、プラス思考でいつも自分らしく前進してください。
 保護者の皆様、手塩にかけたお子様のご卒業を心からお喜び申し上げます。立派に成長した姿を目にして、感無量のことと存じます。特にこの3年間は、思春期の真っただ中で、自我の芽生えもあり、子育てに悩まれたこともあったと思います。なかなか素直に「これまでありがとう」と言えない人もいたと思いますが、心の中では感謝の気持ちであふれています。今日は、少し時間を取って、お祝いと感謝の気持ちをお互いに伝えあえばいかがでしょうか。
いよいよ、 卒業生のみなさん、お別れのときが近づいてきました。3年間で培った折れない心で、進む道はそれぞれですが、自分を信じて一歩一歩前進してください。大活躍しているうれしいお知らせを心待ちにしています。みなさんの洋々と広がる可能性に期待を込めて、式辞といたします。」

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