
はかることとふやすこと
2025年10月06日(月)
はかることと、ふやすこと、それはたいへん違うことなのに、同じことかと思っている人があるようです。今ここに、お砂糖があることにしましょうか、それをはかります。はかっていると、どんどんふえてくる……、そんなばかなことはありませんね。「はかること」は、どれだけあるかと確実に知ることです。ふやしたければ他のお砂糖をもっと足さなければならないのです。足せばすぐ増えますが、同じ砂糖をただはかっていればふえる、そんなことは考えられませんね。
ところが、それが勉強のことになると、一緒になってしまう人があるのです。テストをどんどんやれば、テストを何度も受ければ、学力がつく、そういう考え方をしている人がいるようです。学力をつけるには、それぞれのやり方があります。苦労があります。苦労して、勉強して、カをつけていきます。それがどれくらいついたかな、どういう力がどのくらいどちらの方へ伸びたかな、そういうことを知るためにテストがあるのです。
テストはそのように、学習したことがどんな風であるか、どこまで出来たか、そういうことを知るためにあります。しかし、テストを繰り返していると学力そのものが増えてくる、そういうことはありません。テストをした結果、こうすればいいとか、ああすればいいとかいうことがわかってきます。どういうところがどうであるということが、わかってくるのです。ですからそれを工夫して、その次の学習を進めるのでしょう。テストをしたあとカがついてくるというのはそういう工夫をするからなのです。何にもしないで、ただ、テストを受けさえすれば力がつくような、そんな勘違いをしてはいけないと思います。テストの結果をもとにして、新しい工夫した学習がそこから発展してくるからこそ、テストをしたので学力がついた、というふうになってくるのではありませんか?はかるだけでは、とにかく、お砂糖でさえ増えないんですもの、どうして学力が増えるでしょう。スポーツも同じです。試合ばかりを重ねても決して上達しません。試合の結果を受け止めて次に繋げることが大切なのです。本日より中間テストが返されてきます。結果から、こうすればいいとか、ああすればいいとかいうことを理解し、どういうところがどうであるということをわかって次の期末テストに生かしてください。