12月の詩は茨木のり子さんの「十二月のうた」を選びました。12月は『師走』(しわす)と呼ばれ「お坊さんや先生も走り回らなければならない」ほど忙しい月といわれています。世の中がばたばたしていて自分自身も気持ちだけがあせって何も手につかなくなることがあります。 心にゆとりなく気忙しく毎日を過ごしていると大切なことを見落としたり、大切なことを見失ったり、大切なものをなくしたりしてしまいます。こういう時期だからこそ、心を落ち着かせて、目の前のことに一つひとつ取り組んでいきたいものです。笑顔を心がけて心に少しゆとりをもって行動したいものです。1日1日自分ができるベストを尽くすことが大切だと思います。
十二月のうた 茨木のり子 熊はもう眠りました 栗鼠(りす)もうつらうつら 土も樹木も 大きな休息に入りました
ふっと 思い出したように 声のない 子守唄 それは粉雪 ぼたん雪
師も走る などと言って 人間だけが息つくひまなく 動きまわり
忙しさとひきかえに 大切なものを ぽとぽとと 落としてゆきます
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