6月29日の日曜日、青梅の旬を少し過ぎた、ほんのり黄色く熟した梅を手に入れて、今年の梅シロップ作りに取りかかりました。残念ながら瀬田中の梅は使えませんでしたが、あちこち探し回ってようやく見つけた梅は、やや柔らかめながらも美しく、見るだけで嬉しくなるような実でした。
氷砂糖と梅を交互に瓶に詰めていく作業は、何度やっても心が落ち着きます。瓶の中で梅が少しずつエキスを出し始めると、毎朝の観察が楽しみに。「今日は少し色が濃くなったな」「泡が出てきたけど、これは発酵じゃないよね?」と、まるで小さな実験のようです。
そして約2週間後、透き通った琥珀色のシロップが完成。水で割って一口飲むと、青梅の爽やかさはやや控えめながら、熟した梅ならではの濃厚な味わいが広がり、酸味と氷砂糖のやさしい甘さが口いっぱいに広がります。思わず「今年も仕込んでよかったな」とつぶやいてしまいました。
前任校で生徒たちと挑戦したシロップ作りの思い出もよみがえります。キウイの意外な美味しさ、レモンの安定感、そしてリンゴの“昆虫採集の記憶”を呼び起こす香り…。どれも笑いと発見に満ちた時間でした。でも、やっぱり梅シロップは最強!毎日、水筒に氷水で割って持ち歩き、ちびちびと口にしては癒されています。
梅シロップは、ただの飲み物ではなく、季節を感じ、日々を丁寧に過ごすための小さな儀式。今年もこの瓶の中に、季節の魔法を閉じ込めることができました。来年もまた、青梅が店頭に並ぶのを心待ちにしながら、梅仕事を楽しみたいと思います。次回は瀬田中の梅で作ってみたいものです。
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