1976年、私が11歳の時に登場したF1マシン「TYRRELL P34」は、当時から憧れの存在でした。日本では「タイレル」と呼ばれていて、弟が持っていたラジコンを羨ましく眺めていたのを今でも覚えています。その思い出は今も色褪せることなく、校長室の机にはミニカーを飾っています。 このマシンの最大の魅力は、空気抵抗を減らすために前輪を小型化し、しかしその結果生じるグリップ力の低下という課題に対して、前輪を増やし6輪車にするという奇抜かつ論理的な発想で解決した点です。空力とメカニカルグリップの両立というF1の根幹に迫る挑戦を、柔軟な思考と技術力で実現したこのマシンは、見た目のインパクトだけでなく、設計思想そのものが革新的です。そんなTYRRELL P34のように、私自身も教師として、常識にとらわれず、柔軟で奇抜な発想をもって関わっていけたらと考えています。
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