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■ 文化祭の表彰式で感じたこと2025.10.10

 文化祭の表彰式でのこと。合唱コンクールの表彰をしているとき、指揮者賞か伴奏者賞か忘れてしまいましたが、受賞した生徒の名前を読むときに少しかんでしまいました。
その瞬間、3年生の席から「校長ー、がんばれよ!」という声が飛んできました。かんだことは失敗だったと思いましたが、そのかけ声には少しうれしさを感じました。生徒との距離が少し縮まったような気がしたからです。
 思い返せば、昨年の表彰伝達でも似たようなことがありました。ボート競技の表彰で「舵手付きクオドルプル」と読み上げる際、まず「舵手」が読めず、その場で生徒に小声で聞きました。さらに「クオドルプル」が何のことかもわからず、イントネーションも不明で、相当変な読み方をしてしまっていたと思います。
 でもそのときは、会場に「笑い」すら起きませんでした。きっと生徒のみなさんは「校長先生やし、笑ったらあかん!」というバイアスが働いていたのでしょう。
(ちなみに今は流ちょうに「舵手(だしゅ)付きクオド/ルプル」と読めます!注:「クオドルプル」は英語の “quadruple” に由来し、4倍や四重を意味します。英語圏では「クアドラプル」と呼ばれ、特にボート競技では4人漕ぎを指すことがあります。)
 それが今年は、「校長ー、がんばれよ!」と突っ込みが入るようになった。生徒たちが、少しずつ私のキャラを理解してくれているのだと思うと、なんだかうれしくなりました。
 こうして少しずつ、生徒たちとの距離が縮まっていくのを感じられるのは、校長として何よりの喜びです。かんでも、読めなくても、イントネーションが迷子になっても、それでも笑ってくれる生徒たちがいる限り、私は安心して(ちょっと緊張しながら)マイクの前に立てます。
 もともと滑舌が悪いのですが、がんばりますので、笑ってもええので大目に見てください(笑)。