1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神淡路大震災から、先週の土曜日に31年の節目を迎えました。神戸市や淡路島を中心に多くの尊い命が失われ、街は大きな被害を受けました。私たちが暮らす大津市でも強い揺れが観測され、当時の人々の恐怖や不安は計り知れないものだったと思います。
みなさんが生まれるよりずっと前の出来事ですが、震災は「過去の話」ではありません。今もなお、あの日を胸に抱えながら生きている人たちがいます。神戸の街は見事な復興を遂げ、訪れると一見、何事もなかったかのように感じられるほど活気にあふれています。しかし、その美しい街並みの陰には、今も心の傷が癒えないままの方々が確かにおられます。復興とは、建物が建ち直ることだけではなく、人の心が少しずつ前を向けるようになるまでの、長く静かな歩みでもあります。
一昨年、兵庫県内6カ所のうち最後まで残っていた神戸市長田区の復興再開発事業が完了し、長い復興の道のりに一区切りがつきました。「あの日」から11323日。失われていくものを惜しみながら、新しいものを迎え入れ、日々を積み重ねてきた人々の姿には、深い強さと優しさがあります。
阪神淡路大震災の後も、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など、大きな地震が日本各地で起こっています。30年以内に南海トラフ地震が発生する可能性が高いとも言われ、私たちはいつどこで災害に向き合うことになるか分かりません。
今日はテレビや新聞でも阪神淡路大震災が大きく取り上げられています。毎日ずっと災害のことを考え続けるのは難しいことですが、今日だけは少し立ち止まり、「自分にできることは何だろう」と考える日にしてほしいと思います。防災について知ること、家族と話し合うこと、周りの人を思いやること。どれも小さな一歩ですが、その積み重ねが未来の命を守る力になります。
そして何より、生命の尊さ、人と人とのつながりのありがたさ、人の温もりを感じる一日にしてほしいと思います。 当たり前のように迎える朝、友だちと笑い合える時間、誰かがそばにいてくれる安心感。そうした日常の一つひとつが、実はとても大切で、かけがえのないものです。
阪神淡路大震災から31年の節目がみなさんにとって「大切なものに気づく日」になりますように。
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