12月は「師走」と呼ばれ、「師(僧侶や先生)も走り回るほど忙しい月」と言われてきました。年末の慌ただしさは、年々増してきているように思います。仕事のしめくくり、学校の行事、家庭では大掃除や年賀状の準備、さらにはクリスマスやお正月の買い物など、やるべきことが次々と押し寄せてきます。まさに「走る」ように過ぎていく日々です。
しかし、忙しさに流されるだけでは、せっかくの一年のしめくくりが「ただ慌ただしかった」で終わってしまいます。だからこそ、師走は「立ち止まる勇気」を持つことが大切なのだと思います。ほんの数分でもいいので、静かに自分を振り返る時間を持つ。すると、今年一年の出来事や出会い、努力の積み重ねが心に浮かび上がり、感謝や達成感を感じられるはずです。
師走を穏やかに過ごすために「@感謝を伝える月にする:一年間お世話になった人へ「ありがとう」を伝えるだけで、心が温まります。A小さな目標を立てる:大掃除や整理整頓も「今日はここだけ」と区切ると達成感が積み重なります。B心を整える習慣:朝の深呼吸や夜の読書など、短い時間でも自分を落ち着ける習慣を持つと慌ただしさに流されません。C1年への準備を楽しむ:新しい手帳を選んだり、目標を考えたりすることで、未来への期待が膨らみます。」
師走は「終わり」であると同時に「始まり」でもあります。2025年をしめくくり、2026年へとつながる大切な橋渡しの月。慌ただしさの中にこそ、来年への希望や楽しみを見つけることができるのです。
階段の掲示板に、茨木のりこさんの「12がつのうた」を掲示しました。12月の慌ただしい時期に、忙しさを理由に「大切なものを見失わないように」心を落ち着かせて発言をし、行動をしましょう。
十二月のうた 茨木のり子 熊はもう眠りました 栗鼠(りす)もうつらうつら 土も樹木も 大きな休息に入りました
ふっと 思い出したように 声のない 子守唄 それは粉雪 ぼたん雪
師も走る などと言って 人間だけが息つくひまなく 動きまわり
忙しさとひきかえに 大切なものを ぽとぽとと 落としてゆきます
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