膳所小学校

学校ビオトープ「膳所の湖」

コラム

水辺の生きものについて解説しています。


ビオトープの主な水生植物

水生植物は、魚や鳥が生活するうえで大切な環境をつくっているだけでなく、人間も工芸作物などに利用してきました。
水生植物は、水の汚れの原因となっているチッソやリン酸を吸収するため、水質浄化にも役立てられています。
また、家畜の飼料や堆肥(たいひ)、土壌(どじょう)改良剤、バイオマス資源としても活用されています。
植物は、種子や胞子が風や鳥などに運ばれ、遠くまで飛んでいきます。
種子や胞子が着地した場所が、植物に適した環境なら、芽(め)を出し、また、その場所で長く育つことでしょう。
いま、もともとあった植物に代わって、外来種〔がいらいしゅ〕や帰化植物〔きかしょくぶつ〕が増えています。
この原因は、外来種や帰化植物だけの問題ではなく、植物が育つ環境そのものが変わってしまったことにもあるのでしょう。
もともとあった植物を育てるビオトープの試みは、私たちが動植物を育むことで、環境をどう整えるか、人間にとっても、優しく、すみ良い環境づくりを考えることでもあるのです。


水生昆虫:水辺のむしたち

水生昆虫の中には、一生を水の中や湿地で生活するものと、幼虫の時期などを水の中ですごすものがいます。
一生を水中や水面で生活するものには、コウチュウ目やカメムシ目の一部が知られ、カゲロウ目、トンボ目、カワゲラ目の幼虫は、ほとんどすべてが水の中で生活します。
「卵→幼虫→成虫」の不完全変態〔ふかんぜんへんたい〕をするカメムシ目には、アメンボ科のアメンボやシマアメンボ、タイコウチ科のタイコウチ・ミズカマキリ、コオイムシ科のコオイムシ・タガメなどがいます。
これら水生昆虫類の多くは、肉食で、前肢〔まえあし〕が太く発達しています。
また、マツモムシやナベブタムシなども水生です。
「卵→幼虫→サナギ→成虫」の完全変態〔かんぜんへんたい〕するコウチュウ目は、カブトムシやコガネムシ、クワガタムシなど、子どもたちにも人気の高い多くの昆虫がいますが、幼虫が水の中で生活するものには、ゲンゴロウ、ミズスマシ、ガムシ、ホタル、ドロムシ類などがいます。
また、ドロムシは、成虫になっても水の中ですみます。
ホタルの幼虫は、ゲンジボタルが流れのある水に、ヘイケボタルは水の流れがない場所にすんでいます。
カゲロウは、100種余りがおり、幼虫から羽化〔うか〕して空中に飛び出し、「亜成虫」となり、数時間から1日ほどで、再度脱皮〔だっぴ〕して「成虫」となります。
成虫になると食べ物をとらず、空中に飛び出して交尾〔こうび〕し、卵を産むと2日ほどで死んでしまいます。
カワゲラは、160種余りがしられ、幼虫は、体が平たく、胸部の3節がはっきりと分かれ、大きな肢〔あし〕をもっています。
幼虫のほとんどは、流れのある水底の石の下にいます。
羽化した成虫は、4枚の翅〔はね〕と丈夫な肢をもち、地上をはい歩きます(ほとんど飛べない)が、ごく短い期間に卵を産んで死んでしまいます。
トビゲラ目は、水中生活をするガのような昆虫で、300種余りが知られています。
カワゲラやカゲロウよりも進化した昆虫で、完全変態します。
幼虫は、頭と胸の一部だけがかたいキチン質で、体の大部分はイモムシのようなやわらかい腹部をしています。
自ら糸をつくって網をつくり、落葉や小石をくっつけて、ミノムシのような巣をつくり、サナギをへて羽化〔うか〕します。
トンボ目は、日本に200種類ほど知られ、大津市には、90種ものトンボが確認されていて、多くの種類をみることができます。
ヤゴと呼ばれる幼虫は、すべて肉食で、水中生活をしています。
ヤゴは腹の中にエラがあり、腹先から水を吸って呼吸し、腹部の先から水をはき出して歩行します。
幼虫期間はさまざまですが、何度も脱皮を繰り返し、長いものでは4〜8年の幼虫期間をへたのち、羽化して飛び立ちます。
春から初夏にかけて、田んぼの水路の泥の中には、背中に短い翅(はね)のみえる5cmほどのオニヤンマのヤゴがみられ、ゆるやかな流れのある場所には、ギンヤンマやハグロトンボのヤゴなどをみることができます。
このほか昆虫では、ハエ目などの幼虫にも水の中で生活するものがおり、ヘビトンボ類(アミメカゲロウ目)の幼虫も、きれいな水にすんでいます。
ビオトープでも、アメンボはよく見かけます。
市内の川では、水草のおいしげった水辺をよく観察し、タモ網で水草の茂みをガサガサとゆすってみると、小魚やエビとともに、コオイムシやタイコウチ、ミズカマキリ、マツモムシ、ヤゴなどをつかまえることができます。
また、川の上流や中流の石の下には、ナベブタムシやカワゲラやトビゲラ、カゲロウの幼虫がいます。
しかし、ゲンゴロウやタガメなどは、ほとんどみられなくなっています。


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