校長室より

2018/11/22
セッちゃん
(『ビタミンF』 重松清 新潮文庫 所収 )ずいぶん前に読んだこの本。
先日の県教委主催 いじめ防止の研修会で取り上げられていました。

この話は、生徒会長にも立候補する学校でもリーダー的存在の
自慢の一人娘・加奈子を父親の視点で描いています。
加奈子は、学校での出来事を何でも家で話す明るい中学2年生。
ある日、同じクラスの「セッちゃん」の話題が出ます。
転校生の「セッちゃん」は、クラス全員に嫌われていて、
誰にも口をきいてもらえないのだとか。

運動会が近づき、クラスでも創作ダンスの練習が始まりました。
創作ダンスの内容が変更になり「セッちゃん」だけにはそれが伝わらずに、
まえの振り付け通りに踊ってしまいます。
たった一人だけ別の行動をとります。
それに気づき彼女は必死にみんなに合わせようとしますが上手くいきません。
その時の「セッちゃん」の様子を事細かに語る加奈子に
「もういいよ、やめろよ。」と父親は話をさえぎります。
すると加奈子の反応が変わります。
「おとうさんは、そういう嫌な話、聞きたくないんだ。」
「だって、それが現実だもん。」と悪びれた様子もありません。
「それじゃかわいそうじゃないのか。」と父が言うと
「かわいそう、同情とかって、ほんとうは残酷なんだってよくいわない?」
「みんなセッちゃんのこと、いじめているわけじゃない、嫌っているだけだもん。
 いじめは悪いことだけど、誰かを嫌いになるのって個人の自由じゃん。」
加奈子の言葉に両親は唖然としてしまいます。

加奈子に止められていたにも関わらず、運動会を見に行った父と母は、
ワンテンポ遅れて踊る我が子を見ることになります。
いままで加奈子が語っていたのは全部自分のことだったのです。
いじめられている自分を架空の転校生「セッちゃん」に仕立てて、
作り話のなかに逃げることでどうにか割り切っていこうとしていたのです。
話はもう少しだけ続くのですが、考えることは多い・・・です。

いじめ防止は重要な教育課題。
瀬田東小学校の教職員全員で「いじめ防止対策の要点」を再度学習し、確認しています。
子どもたちみんながクラスの仲間とのつながりを深め、
誰にとっても居心地のよい学校であるように。
2018/11/20
スマイルタイムのあとで
子どもたちのよい行動を褒め、さらに良さを伸ばしていこうという思いからの【スマイルタイム】

先日のスマイルタイムで、私は次のように話しました。
「毎朝、しっかりとあいさつしてくれる女の子がいます。
  その子は、きちんと立ち止まり、お辞儀をして
  しっかりと目を見てあいさつしてくれます。」

その後の昼休みのこと、3年生の女子が校長室に来ました。
そのときのやり取り。

 −「校長先生、スマイルタイムで言った女の子は誰ですか?」
   私「一人ではなくて何人もいてくれていますよ。」
 −「そのなかに私は入っていますか?」 
   私「もちろんです。〇〇さんも入っていますよ。
      いつも上手にあいさつしてくれていますもの。」

その後、その子は満面の笑顔で校長室を後にしました。
真剣に問いかけるその子の姿、かわいいなあと思いました。
子どもたちはスマイルタイムを心待ちにし、とてもよく聴いています。
子どもたちはみんな、大切な人には自分のことをみてほしい、
そして、褒めてほしいと思っているのです。

学校は自己有用感を育む大切な場所。
誰かの役に立っている、自分が必要とされている、と感じる場面があれば「意欲」が出てきます。
しっかりと子どもを観て、褒めるべきところをきちんと認め、
指導すべきところをきちんと指導していくこと。

学校は、日々の学習に落ち着いて取り組むとき。充実の秋。
2018/11/18
ロンググッバイ
中島京子『長いお別れ』 今年の夏に読んだ本のなかの一冊。

「長いお別れ」という題名、
年老いた父との永遠の別れを言っているのだと思っていたのですが、
実はアメリカで認知症を「ロンググッバイ」と呼ぶことを知りました。
少しずつ記憶をなくして、ゆっくりゆっくり遠ざかっていく・・・。

“この人が何かを忘れてしまったからといって、
   この人以外の何者かに変わってしまったわけではない。”

「介護」も「認知症」も「施設」も「死」・・・も不幸ではなく、
あたりまえにそこにあって、幸せもそのなかにあるのです。

以前に、荻原 浩 『明日の記憶』 を読んだときと同じく、
この作品に出あえてよかったと思っています。
実家の高齢の父母のことを考えたりして・・・。
久しぶりに顔を見に行きました。
2018/11/14
もみじ
紅葉狩りの季節。
関西では、例年11月中下旬からが見頃でしょうか。
みなさんは、どこの紅葉がお気に入りですか?
東福寺、光明寺、源光庵、南禅寺、永観堂、・・・
滋賀では日吉大社、石山寺、比叡山、永源寺、鶏足寺・・・名所はたくさんあります。
私は、山科の毘沙門堂がお気に入り。「赤」が違うと言うか、鮮やか。

紅葉は「こうよう」とも読みますし、「もみじ」とも読みます。
「もみじ」は楓(かえで)というイメージですが、そればかりではありません。
漆紅葉(うるしもみじ)、柿紅葉、満天星(どうだん)紅葉、合歓(ねむ)紅葉なども。
また銀杏黄葉、白樺黄葉と書いて(いちょうもみじ)(しらかばもみじ)と読ませます。
「もみじ」は、黄葉(もみじ)でもあるようです。

万葉集に出てくる「もみじ」は黄葉なのです。
万葉人が暮らした大和の国は、秋になると黄色や褐色になる落葉樹が多かったと言います。
都が京都に移ってからは、紅く色づく楓などの木々が多く、古今集をはじめ「紅葉」が登場するのです。
それ以降、もみじと言えば「紅葉」を指すようになったとか。

朱を流す紅葉の下の湧き清水
2018/11/09
心づくしの秋
木の間よりもりくる月の影みれば心づくしの秋は来にけり
(古今集:読み人知らず)

月・・・私はわりと眺めます。
いわゆる「月見る族」。ちなみに人間の8割は「月見ぬ族」だそうです。
月は人の心を照らして、様々にものを思わせてきました。
また、月は太陽と違ってその時々で形を変えるのでオシャレです。
潮の満ち引きは月の引力によるものですが、
その影響を何らかの形で人間も受けているような気がしてなりません。
一度、「月見る族」をしてみるのもいいかもしれません。
「心づくしの秋」ですから。

<おまけ>
月と人をいろいろ関連づけたドイツの本。
翻訳出版されていてタイトルは、
『月の癒し』 ヨハンナ・パウンガー 飛鳥新社
オーストリアのチロルの伝承をまとめたもの。
本の原題は『自分の力で』。
月のリズムに沿った暮らしを取り戻し、
自然に与えられた治癒力を高めようという太古からのメッセージ。
2018/11/06
この人といっしょに働きたいか
前回、「将来の夢」について書きました。
これからの社会の働き方。
今ある多くの仕事はAI(人工知能)を中心とするコンピュータにとってかわられ、
人が関わっている半数以上の仕事はなくなり、
今は存在しない仕事に就くことになるだろうとの予想があります。

しかし、変わらないのは、人とともに仕事をするということ。
そうなったとき、一番に求められるのは
「この人といっしょに働きたいか」ということではないでしょうか。
誠実さ、その人の持つ愛情といったもの、そして、
仕事に取り組む態度こそが大事なのだと思います。

未来を生きる子どもたちに何をすべきかしっかりと考え、育てていくこと。
私たちのしなければならないことです。
人として、教育のプロとして、自分を磨いていきたいと強く思います。
2018/11/01
将来の夢
学力・学習状況調査の項目「「将来の夢や目標を持っていますか?」に対して、
「持っている68.2%」「どちらかと言えば持っている16.9%」という結果。

子どもたちはどんな将来の夢をもっているのでしょうか。
東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所が実施した
「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」の結果から
子どもがなりたい職業ランキングは画像@のとおり。

また、親が「我が子に就いてほしい職業」は? 画像Aは同じベネッセの結果から。
親は子どもたちの「将来の夢」を十分に受け止めながら、大人としての考え方も垣間見えます。

社会の変化とともに仕事の種類も変化しています。
現在、小学生の子どもたちが就職する頃には、
今は存在していない職業に多くの人が就くだろうと言われています。
そんな時代の学習指導要領の改訂。
新しい要領の「主体的・対話的で深い学び」は、「自分から積極的に考える」
「人と考え、話し合いながらつくりあげる」「あきらめずとことんまで追究する」こと。

私たちは、子どもたちに
「どんなに社会が変化しても社会を生きる力」を育んでいかなければなりません。
瀬田東小学校は、今までの取組を大事にしていくこと、
本校の校内研究を軸に授業改善を進めていくこと、を教職員全員で確認し、
日々の教育活動にきちんと取り組んでまいります。

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2018/10/26
ロッカーを寄贈いただきました
本日10月26日、滋賀銀行CSR私募債を通じて、
本校に掃除用具ロッカー10点の贈呈式が行われました。

滋賀銀行CSR私募債は、子どもたちの学びや成長を応援する物品を
発行企業様の指定する学校へ滋賀銀行様を通じて寄贈する仕組みです。
贈呈式には、発行企業の中山倉庫株式会社様にはお越しいただけませんでしたが、
滋賀銀行草津支店長の肥田明久様にお越しいただきました。

瀬田東小4つの約束の「額に汗するそうじ」
子どもたちは「もくもくそうじ」にしっかりと取り組んでいます。
その掃除用具ロッカーとして、寄贈していただきましたロッカーは大切に活用させていただきます。
ありがとうございました。

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2018/10/20
本校の研究 :言語活動
今、子どもの声がうるさいからと幼稚園や保育園が厄介者になっている地域もあるといいます。
ありがたいことに、瀬田東は「子どもは地域の宝」と認識していただいていますが・・・。

人は関わり合って生活し、自分以外の相手を受け入れながらお互いの生き方に学んでいくもの。
立場が異なり意見が違うからこそ、話し合い、すりあわせ、折り合いをつけていく。
そこに価値を見出していけるのです。

本校の研究主題は『主体的・協同的な学習活動で考える力をつける授業の創造
〜思考を表現する言語活動を通して深める学び〜』です。
言語活動の環境を整えることで新たな思考を育むことができるだろうとの仮説のもと、
学校全体で、積極的に研究に取り組んでいます。

今後もより良い授業をめざして研究を進め、さらに深めていきます。
2018/10/12
運動会 笑顔の花が咲きました
悪天候のため、2日に分けての開催となってしまいましたが、
多くのご来賓や地域の皆様、保護者・ご家族の皆様をお迎えして、
運動会を終えることができました。
子どもも教職員も目的に向かって心を一つにやり遂げることができたと思います。
そして、みんなで力を合わせた経験は、次に向かうエネルギーにもなるはずです。

子どもたちが決めた今年度のスローガンは
『さかせよう笑顔の花!〜仲間と共にがんばる気持ちが金メダル〜』

地域・保護者の皆様に観ていただけたのは運動会当日の子どもたちの姿です。
そこに至るまでの子どもたちの真剣に取り組む姿、全力を尽くしてきた姿、
その過程があってこそ、感動とともにたくさんの笑顔の花が咲いたのだと思います。

あたたかい応援をいただきました。
本当にありがとうございました。

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