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■ 3つの詩を掲示しました。2024. 7.16

 先週の金曜日に3つの詩を掲示しました。それぞれの詩を読んで、みなさんはどのように感じましたか?

 詩は人によって受け止め方が異なります。詩はその人がそのときに置かれている状況で受け止め方が変わります。経験や歩んできた人生でもかわります。

 3つの詩を一度読んで見てください。考えること、感じることが大切です。


 おとな

      辻仁成

やりたくないことを
やらないということは
かっこいいけれど
やりたくないことを
やるということは
おとなだ
ばかなおとなには
なりたくないというのは
かんたんだけど
ばかなおとなに
まざってかがやくことこそ
おとなだ


 ははあん

      杉本深由起

大きな声で
思いっきり笑ったら

また一段と
世の中 あかるくみえてきた
目に見える 映るものが
そのまま まっすぐに
とびこんでくる

ははあん
キュッキュッ クックックッと
窓ガラスが
きれいに磨かれてゆくときの音
だったんだな
さっきたてた笑い声は


 優柔不断       
       江口あけみ

一番嫌っていた言葉なのに
いま ぼくは
その 言葉のまっただ中
自分のことが自分で決められない
友達の気持ちに添おうとすると
いまの ぼく
優柔不断になる
人には添ってみろ・・・・・・
       誰の言葉?
自分の殻は捨てろ・・・・・・
       誰の言葉?
身長153センチ
体重45キロ
歳15才
それが 今のぼく
その 今のぼくの言葉って?

ちっぽけな ぼくの
はだかの言葉って?