7月の詩は、金子みすゞさんの「七夕のころ」を選びました。
七夕とは、織姫(おりひめ)と彦星(ひこぼし)が天の川を渡って、1年に1度だけ出会える7月7日の夜のこと。短冊に願い事を書いて、笹竹に飾り付けます。
国を超えて広く伝わる織姫と彦星の話は中国の神話にもとづくものとされています。
天帝(神様)の娘である織女は、機織りが上手で働き者の女性。天帝は、同じく働き者で牛飼いの牛郎と引き合わせました。二人はひと目で恋に落ち、結婚しました。 ところが結婚すると遊んでばかりで、働かなくなるという結果に。怒った天帝は二人を天の川の両岸に引き離しましたが、織女が泣いて悲しんだため、年に1度、七夕の夜にだけ会うことを許すようになった…というあらすじです。
中国ではロマンチックな愛を祝う祭りとされ、しばしば中国の伝統的なバレンタインデーに相当すると言われています。
7月7日、現時点での予報では晴れそうです。みなさんは星にどのようなお願いをしますか。
七夕のころ 金子みすゞ
風が吹き吹き笹藪の 笹のささやきききました。
伸びても、伸びても、まだ遠い、 夜の星ぞら、天の川、 いつになったら、届こうか。
風が吹き吹き外海の、 波のなげきをききました。
もう七夕もすんだのか、 天の川ともおわかれか。
さっき通って行ったのは、 五色きれいなたんざくの、 さめてさみしい、笹の枝。
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