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■ 夢をもち挑戦できる環境が人を育てる2024. 6.21

 元陸上競技選手で北京オリンピックック銀メダリストの朝原宣治さんの講演を聴く機会がありました。朝原さんは中学校ではハンドボール部でした。厳しい顧問の先生のもと厳しい練習の毎日でした。仲間と励まし合いながら練習を続け3年生の時に全国大会に出場しました。あの3年間で自分の競技者としての基礎と心構えを学んだのだと、今ではその先生に感謝をしているということです。

 陸上競技を始めたのは高校に入学してからでした。友達に誘われて入部しました。朝原さんの入部した高校は陸上競技では無名校でした。顧問の先生はとにかく強い高校での練習会、県レベルの合宿に参加させてくれたそうです。そのおかげでメキメキと力をつけ3年生のインターハイで走幅跳で優勝しました。顧問の先生は朝原さんの素質を見抜いていたのでしょう。
 
 大学入学後も陸上競技を続けた朝原さんに運命の出会いがありました。妻の奥野史子さんとの出会いでした。奥野さんはシンクロナイズドスイミングの選手でした。奥野さんはバルセロナオリンピックに出場しメダルを獲得しました。その光景を目の当たりにした朝原さんは自分もオリンピックを目指そうと決意しました。そのためにはレベルの高い環境で練習する必要があると考え、大学卒業後に就職した大阪ガスのバックアップを受けてヨーロッパやアメリカに拠点を置いて自分より速い選手と練習をしました。そして次々と100mの日本記録を樹立し、36歳で迎えた北京オリンピックの4×100mRで4走を務めた朝原さんは2位でゴールし銀メダルを獲得しました。

 朝原さんの話で心に残った言葉は「現実を受け止めてできることを考える」と「同じ景色を見ている仲間となら頑張れる」です。

 人それぞれ目指すところ=目標は違っていて構いません。今の自分ならどれぐらいできるか、何ができるかを考えて目標(夢)を設定し、目標実現のために動き出すこと=挑戦することが大切です。頑張っていると自分を応援してくれたり、一緒に頑張ってくれたり、自分を高めてくれる人と出会うことがあります。人生はどこでどう変わるかわかりません。それが面白いのだと思います。

 夢(目標)を持ち挑戦し続けているときっといい出会いが待ち受けています。

 現在、朝原さんは大阪ガス陸上競技部の指導とともに地域貢献として小学生に陸上競技を教えています。また、練習を継続して、先日行われたアジアマスターズ選手権の50歳〜54歳の部4×100mRで2走を努め、世界新記録を樹立し金メダルを獲得しました。

 朝原さんは今も夢をもち挑戦を続けています。