「先憂後楽」の本来の意味は「国を治めるものや政治家は、人々よりも先に国のことを心配し、人々が楽しんだ後で自身も楽しむべきだということ。」で、政治を行う者の心得を説く言葉です。
また、先に苦労したり心配事をなくしたりしておけば、後で楽ができるという意味で用いられることもあります。「天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」という北宋の范仲淹が言った言葉を略したものです。
先日の職員会議で「先憂後楽」ということばを引用して「先手を打つ」という話をしました。問題が起これば解決するために相当な労力と時間が必要になります。「先手を打つ」とは問題が大きくならないよう、問題が起こらないように手立てを打つことです。
「先手を打つ」とはどのようなことなのでしょうか。見通しをもって計画的に教育活動を行うことも一つです。行事で集団を育てることも必要です。集団の当たり前の基準を高めることも大切です。生徒との日頃からのコミュニケーションを大切にしておけば、生徒の小さな変化に気づいて温かな支援をすることもできます。タイミング良く保護者連絡を入れておくことも大事です。タイムリーな教材を使い道徳や学級活動、総合的な学習の時間を行うこともできます。朝の時間や帰りの時間で語ることや通信で想いを伝えることも効果的です。できたことを思いっきりほめることも成長には欠かすことができないことです。
先手を打つために大切なキーワードは「どうしたら」だと思います。どうしたら大縄跳びを跳べるようになるか。どうしたら合唱に前向きに取り組むことができるようになるか。どうしたら授業に集中して取り組むことができるようになるか。前向きに考えることで、先手を打つことができると思います。
自分自身も「どうしたら」を大切にしたいと思います。
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