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■ ブロークンウィドウズ理論2024.10. 4

 今週の月曜日に職員会議の話の中で「ブロークンウィンドウズ理論」を取り上げて話をしました。最近はあまり学校教育の中では使われなくなりましたが、とても大切な考え方だと思います。

 ブロークンウィンドウズ理論とは空きビルの1枚の窓ガラスが割れたのを放置しておくとすべての窓ガラスが割られてしまうという研究から導き出された理論です。「小さなほころびを放置しておくと(関心が示されないと)重大問題につながってしまう」という考え方です。

 凶悪な犯罪が続くニューヨークの市長が「ブロークンウィンドウズ理論」の考え方を参考にして取り組んだのが「軽微な犯罪や違反を取り締まること」でした。市長は警察官を5,000人増員して街頭パトロールを強化しニューヨークの安心安全を守る決意を市民に示しました。さらに、落書き、未成年者の喫煙、無賃乗車、万引き、花火、爆竹、騒音、違法駐車など軽犯罪の徹底的な取り締まり、歩行者の交通違反やタクシーの交通違反、飲酒運転の厳罰化を行いました。
 その結果、凶悪犯罪は激減してニューヨークは夜間でも市民が安心して歩くことができる街へとかわっていきました。

 これを学校に当てはめると2つの大切な取り組みを行うことができると思います。一つは教室や廊下、トイレなどの破損箇所があれば放置せずにすぐに修繕したり、教室や廊下の掲示物が破れていたら外したり、古い掲示物はすぐに外すなど、放置せずに、教育環境を整えることです。もう一つは子どもの小さな変化(言葉遣い・身なり・遅刻・欠席・保健室に行く・授業態度・部活動の参加)に気づき、ことばをかけたり必要な支援をして、子どもたちに「しっかり見ているよ」「大切にしているよ」というメッセージを発信することで「問題行動の小さな芽」を摘むことです。

 問題は大きくなると解決するのに相当な労力と時間が必要になります。そうならないように小さなことにこつこつと取り組んでいくことが教育には必要だと信じています。

 ※定員をオーバーしたために抽選が行われた京都マラソンを走ることができることになりました。2025年2月16日(日)にあります。残り4か月あまり自分ができるベストを尽くして、自分を信じて、練習に取り組みます。目標は3年連続で3時間30分を切ることです。